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ブッテーロの魅力・メンテナンス

ghostplant leather worksで、最も標準的な材料と考えている、

イタリア産ワルピエ社のButtero(ブッテーロ)のお話です。

ブッテーロって?

美しく透明感のあるスムースなギン面と、

堅牢でカッチリとした風合いが魅力の牛革です。

 

オイルが多分に含まれており、

基本的にはオイルメンテナンスフリーでお使い頂けるのも、

手間がかからず良いですよね。

 

また、タンニン鞣し顔料不使用の染料仕上げで、

大きく経年変化するのも、ブッテーロの魅力です。


どんな人にオススメ?

全年齢、男女問わずにオススメできる革ではありますが、

やはり革が好きなお客様はブッテーロをお選び頂いている印象です。

 

使い始めはガッチリとしていますので、

モデルによっては馴染むまで扱いにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

最初から柔らかく、馴染んだような使い勝手のアイテムをお探しの方には、

あまりオススメしていない材料です。

 

個人的に一番オススメしたい方としては、

革製品を使ったことが無い、革とはどういう素材なのか知りたいという、

言うならば「革初心者」の方に使って頂きたいと感じます。

 

最初はカッチリとした風合いのアイテムが、

使用と共に馴染み、色味も徐々に変わっていく様は、

使っていて値段以上の喜びを感じられる事と思います。

 

この「革を育てる」ことの出来る素材、意外と巷では少なかったりしますので、

オイルメンテナンス頻度が少なくて済む点も相まって、

正に「革初心者」の方にオススメしたいポイントです。

ブッテーロの取り扱いでの注意点は?

ブッテーロは意外と繊細な革です。

 

・キズ

ブッテーロは非常にキズが付きやすい革です。

爪で軽く引っ搔いただけでも、結構目立つキズが付いてしまいます。

 

ただ、内部にオイルが多分に含まれていますので、

付いたキズは完全には消えないものの、徐々に馴染み薄くなっていきます。

 

・水濡れ

革製品全般に言える事ですが、水濡れには比較的弱い材料です。

水滴が付いた箇所に水ジミが出来たり、色落ちがあったりします。

これも使い込んでいくと気にならなくなってきますが、

十分お気を付けください。

オイルメンテナンスはどうしたら良い?

色々と試してみましたが、

写真のCollonil社様(コロニル)「シュプリームクリーム」が

良いと思います。

 

 


・手順

①馬毛ブラシ等で商品表面の汚れを落とします。

この時、縫い目や金具の隙間などに汚れが溜まりがちなので、ここを重点的に!

 

②オイルクリームを古いTシャツの生地などに取り、生地にクリームを馴染ませます。

よく馴染んだら、製品表面に薄く塗っていきます。

この時塗りムラがあると、シミの原因になりますので、

 

薄くまんべんなく塗っていきましょう。

また、この時使うTシャツ生地は古くなったボロでも問題ありませんが、

使う前に洗濯しておきましょう!

(生地が汚れていると、汚れが革製品に移ってしまいます。。。)

 

③しばらく時間を置きます。

1時間程度で大丈夫ですが、夜にクリームを塗って翌朝でも大丈夫です。

 

④メンテナンスで使用した生地とは別のTシャツ生地で、製品表面に余ったクリームを拭き取りましょう。

この時、生地で擦るごとに革表面にツヤが出てきます。

ツヤ感が好きな方はいっぱいこすってください(笑)

 

 

とまぁ、手順を細かく書いてきましたが、

そう難しく考えることはありません。

(ぶっちゃけ、上の手順と多少違っても大きな問題はありません。)

ブッテーロは基本的にオイルメンテナンスが要りませんので、

普段のメンテナンスはブラシでの汚れ落とし程度で問題ございません。

ここからちょっとマニアック。。。

ブッテーロは繊維がギュっと詰まった革ですので、

強度面もかなり強いと考えています。

 

 

以前ブッテーロを導入した際に、

ブッテーロの引張強度を調べてみたことがありました。

 

統計を取るのに必要十分な数は取っていないですし、測定系もアナログですので、

あくまで参考値レベルです。

 

・測定サンプル/左図形状

①ブッテーロ 1.5mm厚(ショルダー部位)

②国産ヌメ革 1.5mm厚(ショルダー部位)

 

丸穴にフックを付け、矢印方向に引っ張ってみたところ、

②サンプルでは9kg荷重程度で、繊維方向に沿って穴が裂けた一方、

①ブッテーロでは10kg荷重を越えても穴が裂けませんでした。

(測定系のMax荷重が10kgでしたので、これ以上は測定不可でした。)


正直、②サンプルで9kg荷重に耐えている時点で、革製品には必要十分な性能な気がしますが、

10kg以上に耐えてるブッテーロはすごいな、、、と。それだけのお話です。。。